【視点】感染拡大、緊急事態宣言も現実味

 感染防止のために専門家が提唱しているのは、喚起の悪い密閉空間、人が密集している場所、近距離での密接な会話という三つの「密」を避ける行動の徹底だ。
 沖縄では21日以降、成田空港での検疫で感染が確認されたスペイン帰りの女性を皮切りに、ほぼ連日、感染者の確認が相次ぎ、県内の感染者はこの女性を含め10人に達した。このほか、米軍嘉手納基地所属の米軍人2人からも陽性反応が出た。
 岐阜県では、21日から倦怠(けんたい)感があり、22~26日に沖縄に滞在した50代男性の感染が発表された。この男性の行動履歴も気になるところだ。
 このところ東京で感染したと推定される事例が相次いでおり、東京の感染拡大が予想以上に深刻であることをうかがわせている。県は空港で、国内客にもサーモグラフィによる乗客の体温検査を行うことを要請している。この状況が続けば首都のロックダウン(都市封鎖)もやむを得なくなってしまうだろう。菅氏が強調するように、今が「極めて重要な時期」であることは間違いない。
 宮古、八重山は本島に比べ、大都市からの訪問者数が少なく、人の密集度も低い。まだ感染者が発生していない理由はそのあたりにあるだろう。
 ただ、本島や本土との人の出入りを完全に止めることはできない。離島でも大都市と同様、三つの「密」を心掛け、不要なリスクを減らすべきだ。
 全世界での感染者数は68万人超、死者数は3万人超に達し、とどまるところを知らない。最多の米国は12万人、2番目のイタリアは9万人で、ウイルス発祥の地である中国の8万人を抜いた。スペイン、ドイツ、イラン、フランス、英国、オランダで感染者数が1~7万人に達している。政府は欧米や中韓からの外国人の入国を拒否する方針を固めた。
 日本の感染者数は2600人台だが、回復者も1000人以上いる。首都圏の一部の店では生活必需品の品薄状態も見られるようになったというが、必要以上にパニックに陥らないことが大事だ。

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