【視点】緊急事態宣言 沖縄も厳戒を

 沖縄は観光が基幹産業であり、緊急事態宣言の対象となった大都市圏とは、直行便を通じた人の往来が活発だ。ここに来ての感染急増は、観光や出張などの来県者を通じてウイルスが持ち込まれた「移入例」が多いと見られる。
 加えて2月下旬から1カ月、感染者が出なかったことで、県が主催イベント自粛の解除を発表するなど、県民の気の緩みが表面化したことも影響した可能性がある。
 石垣市の中山義隆市長は6日の記者会見で、緊急事態宣言中の来島自粛を呼び掛けた。沖縄本島では専門家などから知事に対し、県レベルでも同様の呼び掛けを行うよう求める声が強まっている。知事自身も「県内のフェーズ(段階)が変わった」と発言しており、事ここに至れば、知事も早急に決断すべきだ。
 東京ですら医療崩壊が危ぶまれている状況の中、感染爆発のような事態になれば、沖縄本島や離島の医療は、より速やかに瓦解してしまうだろう。各島に1カ所の診療所で1人の医師が勤務する竹富町のような離島は、なおさらだ。
 本島で感染が加速すれば「八重山の離島で感染者が出るのも時間の問題」という声もあるが、当面はまず、何としても八重山の島々での感染者発生を防ぐことが肝要だ。
 だが、来島自粛の呼び掛けに法的拘束力はなく、人の流れを完全に止めることも不可能である。石垣市議会は、航空機の搭乗者に出発前のPCR検査実施を要請しており、傾聴に値するアイデアだ。
 各個人としては、手洗い・消毒、マスク着用の励行や「3密」の回避など、可能な取り組みを改めて心がけたい。

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