【視点】感染初確認 拡大抑止に全力を

 問題は感染拡大のスピードであり、感染者の増加が早ければ早いほど、島々の医療は速やかに崩壊してしまう。住民一人ひとりが全力で感染防止に努めることで、感染拡大のペースをスローダウンさせなくてはならない。マスク着用、手洗い・消毒の励行、密接・密集・密閉の回避などの取り組みの成否は、最終的には個々人の意識にゆだねられる。
 石垣市は軽症者を収容する宿泊施設を確保しており、竹富町、与那国町とも連携して対応する方針だ。八重山病院と民間病院も軽症者の収容スペースについて調整を進めているようだ。竹富町、与那国町で感染疑いが発生した場合の石垣島への搬送方法も、詰めの調整が進んでいる。
 中山義隆市長は、発熱者を一般外来と区別して診療する発熱外来を近く設置する方針を示した。3市町、医療機関、八重山保健所などが、小さな島々で現在できる精一杯の取り組みを進めている。
 八重山は本土や本島に比べ人口密度が低く、感染拡大を防ぐ上では大都市に比べ、条件はやや有利かも知れない。希望を持って難局を乗り切りたい。
 県内の感染者数は14日時点で76人に達した。連日感染者が確認されている現状を見ると、県医師会の宮里達也副会長らが当初から指摘していた通り、近い時期に100人を突破するはずだ。感染経路が追えない感染者が多くなり、市中感染が本格化しているのである。玉城デニー知事は、独自の緊急事態宣言を本格的に検討すべき時期だ。

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