新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、外出や営業の自粛を解除して経済活動を再開させる「出口戦略」を求める声が強まりつつある。石垣市の中山義隆市長は、市内で新たな感染者が出ないことを前提に、11日以降の段階的な自粛解除を模索する考えを表明。ピンチの八重山経済に展望は開けるのか。
■苦境の八重山経済
1日に開かれた石垣市の臨時議会。「(営業自粛が)長期になるとやっていけない」とただす市議に対し、中山市長は「11日あたりをめどに徐々に(経済を)動かしていきたい。市民はコロナの感染防止対策をして、今しばらく外出自粛などを頑張ってほしい」と求めた。
11日は、現時点で八重山で最後となる4人目の感染者が病院を受診し、健康観察期間とされる約2週間経過したあとの週明け。市教委も11日から小中学校を再開する。
4日、県内の新規感染者数は4日連続してゼロになり、県は自粛解除に向けた「ロードマップ」策定への議論を始めた。この日の専門家会議で案をまとめ、5日の対策本部会議に提出する。
石垣市内でもホテル、飲食店、おみやげ店など観光関連業を中心に休業や営業自粛が相次ぐ。沖縄本島に比べ、経営的に自粛の長期化に耐えられない零細事業者も多い。中山市長が「出口戦略」に言及した背景には、八重山の厳しい経済事情がありそうだ。