貸し付け額が補助金上回る 新型コロナ、県社協が補填要請

要請書を名渡山氏手渡した嘉陽氏(左)=18日午後、県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県社会福祉協議会(湧川昌秀会長)は18日午後、県に生活福祉資金制度の緊急小口資金等特別貸し付けの原資や事務費確保、業務簡素化、職員派遣などの支援策を要請した。

 緊急小口資金等特別貸し付けは、新型コロナウイルスによって休業・失業した県民に貸し付けを行う制度。3月25日から申し込みを受け付け、5月14日時点での実績は緊急小口資金が5891件、金額で約10億2900万円、総合支援資金が449件、約2億3100万円となっている。
 県社協の嘉陽孝治常務理事は、貸し付け額が県から3月末に交付された補助金2億2800万円を既に大幅に上回っていると指摘。現在は原資を取り崩して対応しており「早急な原資補填(ほてん)がなければ事業実施に支障が出る恐れがある」と危ぐした。
 県子ども生活福祉部の名渡山晶子部長は、補正予算で4億4300万円を計上し、交付手続き中だと説明。ただ3月に交付した2億2800万円と合わせても既に社協が貸し付けた総額を超えおり、今後、国に支援を要請する考えを示した。
 事務費の確保については、貸し付け原資で充当することを認めた。
 社協が従来から実施してきた福祉活動も休止・縮小している。名渡山部長は、今後コロナ影響下での支援が必要と指摘。要支援者の安否確認は電話で行うなど、支援の在り方を再検討するよう求めた。

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