玉城デニー知事は16日午前、厚労省の橋本岳副大臣と県庁で会談し、新型コロナを巡る県の現状などについて意見交換。既に全国知事会を通して50人規模の看護師派遣を要請している玉城氏は、国の協力を訴えた。玉城氏によると、県内で重症者用のベッドが満床になった場合には県外への搬送を想定し、準備しておく必要があるとの認識で一致した。
玉城氏は「今は看護師が必要な状況だ」と指摘。「既に医療機関などで集団感染が発生しており、できる限り早期に支援しないといけない」と危機感を示した上で「対応できるよう県として努力しつつ、協力も仰ぎたい」と強調した。
他府県では派遣に応じられる人材を募集する。国の関係施設からも派遣する可能性があるという。会談後の取材で橋本氏は「ニーズにあった人を送るのが大事だ」と指摘し、選定作業を進める意向を示した。また玉城氏は患者の状況に応じ、求める看護師の数が増える可能性も否定できないとした。
会談で玉城氏は、クラスター(感染者集団)や院内感染の発生などで医療機関の活用に制限が加わる場合や、台風などの自然災害が重なることなどを想定し、国の支援が必要だと強調した。9月で期限が切れる感染症の緊急包括支援金の期間延長・交付金の増額を国に求めた。橋本氏は「確保する」と話した。
ただ、橋本氏は沖縄県では新型コロナ治療と救急・一般医療を同一の病院が担うため、陽性者が増え続けた場合や災害発生時は、現場負担がさらに増加すると危惧した。
橋本氏は15日夜に沖縄入りし、17日まで滞在、県内を視察する。16日は国の関係者が同行し、県医師会や看護協会、専門家会議、自衛隊、海保などを視察した。