観光客数、今年は6割減か 推計56万人、20年ぶり低水準 石垣市

 石垣市観光交流協会(会長・中山義隆市長)は19日までに、新型コロナウイルスの影響で今年の入域観光客数が前年比6割減の約56万人にとどまるとの推計をまとめた。米国で「9・11テロ」が発生し、観光客のキャンセルが相次いだ2001年以来、約20年ぶりの低水準にとどまる見通しだ。西仲野正巳事務局長は「予想以上に危機的な状況」と訴えた。

 沖縄観光コンベンションビューロー(oCVB)の推計方法を使いて8月以降の入域観光客数を推計し、1~7月の実績と合計した。
 昨年の石垣市の入域観光客数は過去最高の147万人を記録したが、今年は3月以降、クルーズ船が途絶え、海路からの入域観光客数がゼロになった。
 県内でも感染拡大が深刻化し始め、市が来島自粛を呼び掛けた4月以降は、空路からの入域観光客数も急減。入域観光客の総数は4~6月が前年の1割未満から2割程度まで落ち込んだ。7月は5万2623人で、前年の3割台にやや持ち直した。
 推計では8月以降も前年の3割台が続き、8月は約5万人、9、10月は約4万5千人、11月は約3万9千人、12月は約3万千人となっている。総数は56万754人で、前年比61・9%減。
 同協会によると、リゾートホテルは7月以降の感染再拡大でキャンセルが相次いでおり、8~9月の予約状況を見ると、稼働率は前年の3~4割台にとどまりそうだ。政府の「GO TОトラベルキャンペーン」から東京都が除外された影響も大きいという。
 修学旅行は7月の時点で162校の予約が入っていたが、9月の予約は数校のキャンセルがあり、11月の予約は延期や検討中への変更が相次いでいる。
 西仲野事務局長は推計について「最悪のシナリオを想定」とした上で「9~10月でコロナの勢いが弱まれば、10月後半から修学旅行が入り、数字が上向く可能性がある」と指摘した。
 同協会には、県の緊急事態宣言が延長された影響で「今、石垣に来ていいのか」という問い合わせもあるという。
 市は体調不良者を除き、来島自粛は呼び掛けていない。観光客、観光業者の双方に万全の感染予防策を求めた上で、観光客の受け入れを継続している。

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