「沖縄の美ら星」発刊 奥深い星文化を紹介 石垣島天文台元所長・宮地竹史さん

「沖縄の美ら星」を手にする宮地竹史さん=22日午後、八重山日報社

 石垣島天文台元所長の宮地竹史さん(71)が、沖縄の星空ガイド本「沖縄の美(ちゅ)ら星」を琉球プロジェクトから発刊した。八重山で観察できる星を中心に、星にまつわる伝承などの「星文化」を紹介している。

 県内各地で四季の折々に見られる星、星座をオールカラーの写真で紹介。星に関する豊富な話題を盛り込んだコラムも添えた。
 「暁(あけ)の明星」「宵の明星」として親しまれている金星については、農家がこの星を「し(す)かまぶし(仕事星)」と呼び、明け方、この星が見えると畑仕事に出掛け、夕方、見え始めると仕事を終え、家に帰ってきたという伝承を掲載。
 子どもたちは「ゆうばんまんじゃー(夕ご飯、まだかな)の星」と呼び、親の帰りを待っていたという沖縄ならではのエピソードもある。
 同書は、石垣市、竹富町、国頭村で開催され、宮地さんが講師を務める「星空案内人養成講座」のテキストとして執筆された。
 宮地さんは高知県出身で、国立天文台で48年間勤務。2000年から始まったVERA石垣島観測局の建設をきっかけに沖縄の星空との関わりを持ち始めた。
 同書について「沖縄の星空は目で見て楽しむだけではなく、伝承や物語も豊富で、奥が深い。天文ファンだけでなく一般の観光客にも知ってほしい」と話した。
 同書は135ページ。定価1800円+税。石垣市内の書店でも販売されている。

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