石垣市の星野自治公民館(平良雅樹館長)は20日、入植70周年記念事業の一環としてことし3月に建立した新たな入植記念碑の除幕式を同地域で行なった。新型コロナ感染防止のため、大宜見先遣隊の遺族や同館歴代館長、現役員ら約30人のみが出席。開拓者に黙とうと献花で敬意を表し、集落のますますの繁栄を願った。
同地域は1950年3月16日、故・山口忠次郎氏を団長に第一次大宜見先遣隊16戸17人が開拓を始めた。
75年に入植記念碑を建てたが、先遣隊ら31人の記名が風化で見えにくくなっていたため、70周年の節目に新たな記念碑を建立した。
新記念碑の表には先遣隊らの名前、裏には入植の簡潔な経緯と「星野」の由来が記されている。
平良館長は式典あいさつで開拓者の苦労と恩恵に思いを馳せ、「現在は53戸127人。大宜見村に続き、玉城村と宮古島から入植された方から引き継いだこの星野地域を大事にし、若者が帰ってくる過ごしやすい環境にするのが私たちの開拓、使命だと思う」と気持ちを新たにした。
除幕は先遣隊遺族の大城初枝さん、平良ミエ子さん、砂川正義さん、砂川ヨシ子さんの4人が行い、その後、碑の前に献花した。
今は亡き夫・亀三さんが第一次先遣隊として入植した平良さん(90)は、「当時は橋もなかった。部落がこんなに栄えるとは思わなかった」と笑顔。
亀三さんに「こんなに栄えているよー」と呼び掛け、「これからも明るい部落でますます平和になってほしい」と願った。
歴代館長を代表して金城政男氏が「立派な石碑を建ててくれたことに感謝する」、70周年準備委員会の砂川利勝委員長は「(石碑は)100年、200年と引き継がねばならないものの一つ」と話した。
遺族代表の大城さんと歴代館長代表の金城氏に、平良館長から感謝状と記念品の金杯が手渡された。
70周年事業としてはこのほか、公民館外壁の塗り替えやクーラーの設置なども行なわれている。