八重山農林高校(山城聡校長)は10月12日から、指定の範囲内で自由に制服を選択・着用できる「制服選択制」を導入すると決めた。申請書類等の事前申請を不要とし「申請すること自体が苦しい生徒もいるはずなので、それを解消したい」(山城篤教頭)と、LGBT(性的少数者)に配慮した。
同校では現在、「男子の制服」と「女子の制服」と別れているが、生徒から制服選択を希望する声が上がっていたことや性についてさまざまな価値観が浸透してきていることから、生徒支援部で前向きに検討を重ねてきていた。
新1年生の冬服採寸の時期が10月末と近づいていることから、10月12日から制服選択制を導入することを決めた。
同校は23日、校内全体集会で生徒に周知し、保護者には生徒を通じた書面と同校ホームページ上で周知した。
同制度では指定の範囲であれば制服の上下の組み合わせは自由。
選択は①防寒対策②機能性③スカートやズボンへの嫌悪感④肌アレルギー⑤登校当日の生徒の状態―など、さまざまな理由を認めるとしている。
遊び半分で仮装する生徒が出てくることなども懸念されるが、山城教頭は「指導しないといけない場合もあると想定されたので、(導入が)進んでこなかったことも現実。生徒の話を聞きながら対応していきたい」と話した。
八重山商工高校ではすでに、事前申請不要の制服選択を実施している。
同校制服検討委員会の担当者によると、今年度の「生徒指導方針」では、「男子制服」「女子制服」との従来の表記を改め、「スラックス」「スカート」を着用する場合の留意事項に変更。
事前申請はないが、選択を希望する生徒はあらかじめ相談に来ているという。
八重山高校では現在、申し出があった場合に個別に対応しており、今後、事前申請を不要とするかどうかを検討していく考え。
文部科学省は2015年に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を通知している。