在日華僑らが中心となり、台湾や中国で親しまれる航海の女神「媽祖(まそ)」や「土地公」、三国志中の武将「関公(関羽)」を祀った「沖繩媽祖廟」の建立起工式が16日午前、設置予定地の新川・唐人墓隣で行われた。台湾をはじめアジア諸国が平和と友情を祈願するシンボルとしての役割を果たし、華僑らが訪れる新たな観光スポットとしても期待される。完成は来年以降。
起工式は南海山桃林寺の小林昌道住職によって執り行われ、石垣島媽祖宮発展協會(きょうかい)の東郷清龍理事長、台北駐日経済文化代表処の謝延淙僑務部長、中山市長らが出席した。
同協會は、石垣島で媽祖宮建立を推進する目的で一昨年12月に発足。昨年1月には市長に協力を要請し、在日華僑らの支援を得て着工が決定した。
東郷理事長は「先人たちの願いがやっと叶う。現在名蔵で行っている華僑行事『土地公祭』も、完成後はここで実施する。世界各国の華僑らが石垣を訪れ、観光地として経済発展につながるだろう」と意気込んだ。
謝部長は「媽祖の神は『人々を迷いから救う』として古くから信仰されてきた。媽祖宮は両国の交流のために尽力されてきた皆さんの努力の顕彰となる」と話し、協力者らを称えた。
中山市長は「無事故、無災害での完成を願う。日本と台湾のさらなる文化交流発展の場所になるだろう。支援と協力をいただいた方に感謝する」と述べた。
媽祖宮は、協會が市から借地している唐人墓隣の敷地約40坪内に建設予定で、外観や内装には豪華な彫刻などを施す。完成には1~2年かかる見込みだ。
式典には、くわ入れに参加した会長や協會代表者を含め、東京・大阪・福岡などから集まった日本台湾商会聯合総会(日本台湾商工会議所)のメンバーら約100人が集まった。