県と沖縄電力は22日午前、2050年の脱炭素社会の実現に向け連携協定を締結した。再生可能エネルギーの導入拡大、CO2(二酸化炭素)を出さない発電への転換、石炭火力発電所からのCO2(二酸化炭素)回収促進などの取り組みを確認した。県庁で開かれた協定締結式で玉城デニー知事と本永浩之社は11月、両者が連携して行った風力発電の実証実験に触れ、高く評価した。
国は2050年に国内の温室効果ガスの排出実質ゼロを目指しており、県も足並みをそろえ「エネルギービジョン2020(仮称)」の策定に力を入れる。
県による事業者への税制支援、新たな補助制度の創設、風力発電に関する規制緩和などが進められる見通し。日本国内で製造できない国外産の風車導入なども検討されている。
協定締結式で玉城知事は「今後は脱炭素社会に向け、政策立案や制度設計が進む。SDGs(持続可能な開発目標)でも重要な気候変動に対応するため、エネルギーの脱炭素化を目指す。再生可能エネルギーの主力化やCO2を出さない火力発電の普及が必要」と訴えた。
本永社長は「2050年のCO2排出ゼロには、技術革新が必要不可欠だ。水素やアンモニアなどの新しい燃料を、コストを下げ、社会実装化するには、かなりの技術的なブレイクスルーが要る」と指摘した。
波照間島での実証実験については「世界でもまれな取り組み」(本永氏)、「成果を他の離島にも広げる。再生可能エネルギーの導入拡大に向け、重要な取り組みだ」(玉城氏)と評価した。沖電は8日、2050年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにすると宣言していた。