八重山でワ―ケーション 政府も推進、充実求める声

旅行先で仕事と休暇を両立する「ワーケーション」の場所として沖縄を選ぶ人が増えており、八重山を訪れる姿も見られるようになった。政府が沖縄でのワーケーションを推進している背景もあり、地元としても今後、新たな誘客の切り札となる可能性がある。一方、ワーケーションを楽しむ人からは、サービス充実を望む声も上がる。
沖縄は気候が温暖で、マリンレジャーを楽しみながら仕事をするワーケーションの場所として人気が高い。
石垣市でもワーケーションに取り組む人がいる。岡山県出身で昨年8月に東京から移住した浅田彩さん(25)は、会社の承認を得て、真喜良の自宅からパソコンで顧客サポート業務を行う。「家の窓から広がる海に癒される毎日。移住して完全リモートワークになったのは会社で私が初めて」と話す。
1月10日からワーケーションのため石垣を訪れている30代の会社員男性は、友人宅に滞在している。平日は8時間の在宅業務だという。
男性は「東京の家賃も払っているので、勤務時間のために高額な滞在費は払えない。価格を抑えた清掃なしの一週間プランなどがあれば助かる」と話す。
観光客数の減少により市民を対象にした割引を提供する宿泊施設は多いが、ワーケーションを推進するプランはネット上でも探せないという。
「仕事はどこでもできる時代。空いた時間に旅行や観光を楽しめるワーケーションスタイルを気に入っている」(男性)。
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新型コロナウイルスの拡大に伴い、政府や企業もテレワークやワーケーションを積極的に推進している。
内閣府沖縄総合事務局は2019年、沖縄のテレワークポータルサイトを開設。宮腰光寛沖縄担当相(当時)は「(沖縄は)ワーケーションが一年中可能という、他の都道府県にはない働く場所としての魅力がある」と語った。
昨年度は、テレワーク施設の整備等を補助する「沖縄テレワーク推進事業費補助金」に3億4千万円の予算を組んだ。ワーケーションによる観光客の滞在延長や県外企業の沖縄進出を見込んだ初めての政策だ。
同局の担当者によると「石垣市からの応募は少ない。観光に力を入れている印象だが、ワーケーションを視野に入れた取り組みも需要があるはず」と期待する。
ワーケーションの利用者からは、気軽に利用できる宿泊施設のほかに「作業ができるカフェ」や「食事のデリバリーサービス」の選択肢を増やしてほしいという声もあった。
「平日は働きながら、空いた時間でゆっくり島を体験する滞在」を可能にする、新しい取り組みや環境づくりが求められている。

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