石垣市の火葬炉1基が故障し、1日の火葬件数が2件までに制限されている問題で、市は火葬を待機している遺族の費用を一部助成する方針を決めた。10日、中山義隆市長が市役所で記者会見して発表した。火葬件数の制限を受け、死亡から火葬まで1週間待機するケースも出ており、市民から遺族の負担軽減を求める声が上がっていた。
火葬炉は3基あるが、うち1基の排風機が1月9日に故障し、使用不能になった。以降、残る2炉だけが稼働し、1日の火葬件数を1炉につき1体に制限している。
市によると、従来は死亡から火葬までの待機時間は3日ほどだった。しかし制限後は最大で1週間待機するケースもあり、遺体の安置や保冷用のドライアイスなどの費用がかさんでいる。石垣市議会与党の自民、公明などが5日、市に遺族の負担軽減を要請していた。
市の助成は原則、納棺の日から4日以上待機した場合に行われ、1日当たり2万円を上限として実費を支給する。
死亡者または葬儀を行った者が市民であることが条件。助成金は遺族の申請を受け、1月14日以降の火葬にさかのぼって適用する。
火葬炉の修理は当初、5月をめどとしていたが、メーカーとの調整で、4月中旬を目標に進めることになった。その間、市の支出額は約200万円を見込んでいる。
市の火葬場「やすらぎの杜いしがき斎場」は2016年4月に供用開始した。
助成について問い合わせは市環境課℡0980・82・1285。