【視点】きょう解散 求められる沖縄の未来図

 従来型の首都圏への一極集中や大企業優遇ではなく、地方や中小零細企業を大事に育ててほしい。技術革新や雇用創出を促進するには、あらゆる分野で競争を促進し、才能ある人材が実力を発揮する機会を増やすことが必要だ。勤労意欲を阻害する重い税負担や、あまりに行き過ぎた高福祉の見直しも必要である。
 沖縄では4選挙区に11人が立候補を予定している。前回の衆院選では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が最大の争点になり、移設に反対する「オール沖縄」勢力の候補が4区以外の3選挙区を制した。
 だが、国政選挙のたび、辺野古のみにスポットが当たる現状はいびつだ。沖縄が抱える課題は多岐にわたり、コロナ禍でなくても多くの県民や中小企業が「待ったなし」「崖っぷち」の状況である。辺野古のワンイシューで候補者を選ぶような余裕は本来ない。
 来年度から始まる新たな沖縄振興策のあり方も大きな論点に浮上している。米軍基地負担の軽減も、辺野古以外に考えるべきことがたくさんある。
 尖閣有事や台湾有事の可能性も現実味を増しており、基地負担軽減と抑止力維持のバランスを取っていかなくてはならない。
 八重山、宮古は選挙のたびに、離島振興の推進を強く求めている。離島振興は、県政の「一丁目一番地」と言われることもあるが、県政の中で基地問題が前面に出てくると、忘れ去られがちだ。
 県民の幅広い要求に耳を傾け、沖縄の未来図を着実に描ける人物を県民の代弁者として国会に送りたい。

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