八重山市町会の中山義隆会長(石垣市長)ら3市町長は6日、県庁を訪れ、台湾有事などで八重山への武力攻撃が起きた場合を想定し、万全の体制を構築するよう要請した。要請項目には、住民避難に向け、国など関係機関と連携したシミュレーションを定期的に実施することや、避難シェルター整備に向けた支援などを盛り込んだ。
中山会長は、軍事力の増強を続ける中国が市の行政区域である尖閣諸島周辺海域で領海侵入を繰り返している現状を指摘。「八重山でも中国による台湾侵攻への懸念が日々高まりつつある」と述べ、有事の備えを万全にすべきと訴えた。
避難シェルターについては、住民避難の完了まで住民の安全を守る施設として、県が主体的に整備することも含めて要望。十分な食料など物資の備蓄にも支援が必要とした。
対応した池田竹州副知事は「万一の事態に備えて国民保護の対処能力を持つことは重要。住民をいたずらに不安にさせることはあってはならず、配慮しながら進める」と述べた。
22日に八重山の3市町や沖縄総合事務局、自衛隊が参加した意見交換会を開催し、今年度末には図上訓練を実施する考えを示した。
避難シェルターに関しては「現在、内閣官房で研究している。国の検討状況を把握し、どのようなことができるか調整したい」と説明した。
中山会長は「県がシミュレーションをつくる際は八重山3市町もオブザーバーではなく、メンバーの中に入れてほしい」と求めた。
前泊正人竹富町長は「島々には一時避難ができる施設は少ない。実際に見ていただいて、国境離島を一緒になって保護してほしい」、糸数健一与那国町長は「小さな与那国で住民を保護するのは物理的にも困難がある。先島地区が連携して対応したい」と強調した。