北朝鮮による事実上の大陸間弾道弾(ICBM)発射に備えるため、自衛隊が23日から続けていた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)や関連装備の八重山への輸送は27日も続いた。石垣島内での部隊の展開場所は、この日までに南ぬ浜町となる可能性が強まった。自衛隊は今後、防衛相の命令を受けて迎撃準備に入る。
27日は民間船舶と輸送機C2を使い車両40台が島内に輸送され、石垣駐屯地に向かった。28日と30日には、船舶で一部の車両が与那国島に輸送される予定。
27日朝、フェリー「はくおう」が鹿児島県から石垣港に寄港。午前8時過ぎまでにPAC3の運用に必要な空自の車両を降ろした。その後、複数回に分けて車両は石垣駐屯地に移動した。
午前9時半ごろ、PAC3のレーダー装置や指揮所と思われる設備を積んだ車両数台が駐屯地に入る様子が確認された。
石垣港からの移動とほぼ同時刻、石垣空港にはC2が着陸。発射機を積んだトレーラー1台を降ろした。
石垣港には午後にも車両運搬船が那覇から到着。降ろされた自衛隊車両は石垣駐屯地を目指した。
石垣駐屯地には計40台が入ったと見られる。陸自の担当者によると、石垣島への車両輸送はほぼ完了した。
今後、一部の車両は駐屯地を出て再び石垣港に向かい、与那国島に輸送される予定という。
与那国島には、C2でPAC3関連車両1台が空輸された。町内のPAC3展開場所は駐屯地敷地内を予定。
北朝鮮のICBMが石垣島に落下する危険性が高まった場合、自衛隊は国民保護を目的にPAC3で迎撃する。
はくおうからは、横浜ナンバーの警察車両数台も降ろされた。