国の重要無形民俗文化財に指定されている小浜島の結願祭が9日、同島の嘉保根御嶽で執り行われた。北、南の両集落の人々が棒舞や舞踊を披露。ことしの豊作に感謝し、来年の五穀豊穣を祈った。祭は旧暦8月24日にあたる8日から行われており、正日(ショウニツ)の9日、一般公開された。
午前9時ごろ、北の弥勒と南の福禄寿を先頭に演者が行進。女性は供え物を持って、祈りを捧げた。
両集落の青年が棒舞などを交互に奉納し、「やあ」「たあ」と掛け声を叫びながら対決した。訪れた観光客は、壮厳さと迫力が共存する伝統行事に感嘆の声をもらした。
平野角信さん(51)=石垣市登野城=は「それぞれの集落で一つの伝統を作り上げている。どちらにもプライドがあり、競い合いながら続いてきたのだろう」と話した。
奉納芸能では、同じく北、南の人々が交互に登場。通事沙喜さん(34)は踊りを奉納し、「島の人たちは目が肥えているので緊張した。この伝統がいつまでも続いてほしい」と祈った。
結願祭は2007年、旧盆(ソーラ)、種子取祭とともに重要無形文化財に指定された。新型コロナウイルスの影響で中止、規模縮小が続いたが、昨年から通常開催に戻った。