不明朗な会計発覚 県警も関心、横領視野か Dr.コトー診療所舞台

Dr.コトー診療所のロケ地=10月9日、与那国町比川

 与那国町で撮影が行われた人気テレビドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地管理費を巡り、会計処理が不明朗だとして県警が捜査に着手したことが2日、わかった。比川地区にあるロケ地の管理は、地域住民などで構成する「比川地域づくり協議会」が行っていたが既に解散しており、今はやや離れた所にある比川共同売店が行っている。

 比川地区には、「志木那島診療所」としてドラマに登場した建物が、撮影当時のまま残され、内部では診療所のセットが公開されている。入場料(300円)を入り口のボックスに入れるシステムだ。
 不明朗会計の疑惑は、「入場者数から判断して、あるべきお金が無くなっている」とする住民からの訴えで発覚。収入や支出を記録した帳簿類は所在が判明していない。捜査関係者によると、「いくら収入があり、いくらたまっていたのか誰も把握してない。黒字なのか、赤字なのかも不明。あいまいだ」といい、金の流れに関心を示し、帳簿類の捜索などを進めており、横領事件や窃盗事件に発展する可能性も視野に捜査している。
 比川地区では、今年6月に開いた公民館の総会で管理者を「比川地域づくり協議会」から共同売店に変更している。与那国町観光協会は取材に対し「前の管理者が勝手に施設を閉鎖し連絡が取れない時期があった。観光客からもクレームがあり、共同売店に変わった」と説明した。
 協議会の暫定代表だった阪口源太町議は、八重山日報の取材に対し、「昨年11月から今年6月まで管理を担当した。入館料の管理や掃除、SNSを使った情報発信も行った」と説明。
 今年上半期は一カ月10万円の報酬を得ていたという。「広告費やグッズの仕入れだけでなく、キャッシュレス決済や防犯カメラ、スマートキーの導入など施設整備に予算を使った。防犯カメラの映像により、万引き犯を検挙できたこともある」などと支出を説明し、不正な支出はないと話している。
 ことし、6月に「志木那島診療所」を訪れた観光客は、「入り口の透明なボックスに現金を入れるだけで、千円札や硬貨など丸見えだった。建物内にはだれもおらず、不用心だと思った」と指摘している。
 阪口氏によると、施設整備などで経費を使ったため「清算後の残高は数千円だった」と明かした。「町議にも連絡し情報は全部公開している」と述べ、不明朗会計を否定している。

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