尖閣海域にブイ設置を 市議会が要請、政府慎重

橘官房副長官に意見書を渡す石垣市議団と宮古、八重山の漁業者=15日午後、衆院第一会館(市議会提供)

 石垣市議会の我喜屋隆次議長ら議員団6人が15日、上京して各省庁などを訪れ、市の行政区域である尖閣諸島周辺海域で漁業者が安全に漁をするための係留ブイを設置するよう要請した。宮古、八重山の漁業者4人も同行した。橘慶一郎内閣官房副長官、農水省の笹川博義副大臣らが対応したが、我喜屋議長によると、いずれも設置には慎重な姿勢を示した。
 市議会は尖閣海域への係留ブイ設置を求める意見書を3月定例会で可決した。意見書では尖閣海域での漁について「ほとんどの漁船が周辺海域で停泊し、夜間は潮の流れや風向きを考慮して安心安全に停泊することが求められるが、実態は厳しい」と、漁船を固定する係留ブイ設置の必要性を訴えている。
 我喜屋氏によると、要請に対し橘氏は「係留ブイは農水省に補助メニューがあるが、使えるかどうか検討する」という趣旨の回答だった。笹川氏も、設置場所が尖閣海域であるため、政府全体としての判断が必要との見方を示した。
 与那国町漁協の嵩西茂明組合長、八重山漁協組合員の名嘉秀三氏、宮古漁協の本村繁信組合長、竹富町議で漁業者の山下義雄氏も同行した。
 一行は文科省も訪れて阿部俊子文科相と面会。外国人学校に対する授業料無償化制度を見直し、日本人学生の海外留学支援の拡充などに充てるよう求める意見書を渡した。意見書は3月定例会で可決されていた。
 阿部氏は日本人学生の支援拡充に前向きな姿勢を示したという。
 市議団は防衛省にも赴き、3月定例会で可決された石垣港臨港道路新港3号線の早期事業化を求める意見書を提出した。
 我喜屋氏は要請後、取材に対し「尖閣の係留ブイに関してはまだ厳しいと感じたが、漁師の生の声を政府に届けることができたのは良かった」と話した。

関連記事

八重山日報公式 X(Twitter)

フォローする

ユーグレナ シルバー人材センター たびらいレンタカー ひとし眼科 嶺井第一病院 アイン薬局
ページ上部へ戻る