八重山から西島本、新垣さん 秋の叙勲

 政府は3日、2018年秋の叙勲を発表した。八重山在住者からは元石垣市消防団団長の新垣能一さん(70)が消防功労、元公立小学校校長の西島本進さん(86)が教育功労で瑞宝双光章を受章した。

 西島本進さん
 八重山農林高校を卒業後、「先生になってほしい」と声を掛けられ、39年間に渡る教師の道を歩んだ。
 波照間島出身。1951年、西表島の旧西表小学校白浜分校で助教諭として教員生活がスタート。当初は「未経験だったかので、一人ひとりの個性に応じて対応できなかった」。
 その後、年3回の講習会などで技術を磨き「休みなしでひたすら教師の道」へ。石垣市、竹富町、与那国町の3市町で教鞭を執った。
 1978年、黒島小で教頭に昇進。小浜小学校で1986年から校長を務め、登野城小学校校長として1990年に定年退職した。同校から八島小への区割り手続きや、創立100周年事業の事務局として力を尽くした。
 離島の教師として伝統行事と子どもたちの関わりを重視。子どもを一人ひとりを主人公にさせる工夫を凝らした。「子どもが笑顔で卒業できた時、教師として最高の人生を味わうことができた」。96年からは竹富町長を1期務めた。
 座右の銘は「おれ以外は我が師なり」。「情報化という新しい時代だ。学ぶことは徹底している」。教諭時代も定年後も学び続けている。
 1932年10月23日生まれ。

 新垣能一さん
 伊原間中学校を卒業後、上京して本土で7年間働いたのち、石垣島に帰郷。消防団員として33年間、地域の安全を求めて活動した。
 石垣市野底出身。消防団歴は1985年から2018年までの33年間。2006年から18年までの12年間は団長を務めた。
 入団は知人に誘われて決意。県内消防団として唯一となる出初式の「はしご乗り」でも腕をふるい、消防職員と団員の絆を深めた。
 若者が行方不明になるという事案が発生した際には、消防団として捜索活動を実施し、新垣さんが第一発見者となり、事案解決に貢献した。警察に犯人だと思われたが、今では笑い話。
 タバコの不始末が原因となり平久保で火災が発生した時には、深夜まで消化活動に尽力した。
 「消防団はなくてはならない団体。石垣市では災害は少ないが、火災がなくても体力づくりに励まないといけない」とモットーを語った。
 趣味はボランティア。消防団団長のほかに八重山地区交通安全協会の会長も務めた。「市民全員がボランティアをやってくれたら、明るいまちになる」。
 1948年3月10日生まれ。

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