那覇市(城間幹子市長)は9日、宇栄原3丁目の住宅街で発見された不発弾の処理を行った。処理は陸上自衛隊第101不発弾処理隊が実施。現場に設置された処理壕内に設置後、爆破処理された。今回処理されたのは、旧日本海軍製20㌢の砲弾。市は城間市長を本部長に、現地対策本部を市小禄支所に設置。現場から半径300㍍内に居住する約1千世帯、約2千500人が避難対象者だった。
城間市長や陸自、県警、消防、県や市の防災担当課などの関係者が集まった対策本部では、テレビモニターが用意され、現場の様子を生中継で映し出した。
処理壕は高さ5・5㍍、直径3㍍。全体を砂で固められ、不発弾の上には1つ1㌧の土のうを複数積み重ねた。爆破処理による衝撃を吸収させる「蓋」の役割を果たす。
不発弾は午前8時過ぎに報道陣に公開された際、処理壕内になく、現場内で隔離されていた。陸自隊員は手作業で運び出し、電線に当たらない場所から重機を使って吊り上げ、壕内に入れた。
午後3時すぎ、関係者が見守る中、不発弾は処理され、「ドン」という大きな音が1回、周辺に響いた。同時に関係者が見つめるモニターには、処理壕の土のうが崩れる様子が映し出された。
那覇市は午前8時に現地対策本部を設置。住民避難を午前8時半から開始させた。市職員らは一軒ずつ避難対象世帯を回り、住民に避難を促した。また、広報車も周囲を巡り、呼びかけた。
同日の処理は現地爆破だったため、その準備に時間を要した。また、処理が成功したか否かを隊員が確認する必要もあったため、土のうを1つずつ撤去。このため、さらに時間を要した。地域住民は午後5時過ぎの避難解除まで自宅に戻れず、避難場所だった小禄中学校体育館などで待機した。
城間市長は就任以来、過去何度も対策本部長として市内の処理現場で、陸自から概要などの説明を受けてきたが、「爆破という形は初めて」と語り、「不発弾処理は市民生活に大きな影響を及ぼしている。ほっとしている」と安堵の表情を見せた。