米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票条例の制定を請求した「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表らは11日、宜野湾市議会(上地安之議長)を訪れ、与党会派・絆クラブの市議らと意見を交わした。元山氏は「ぜひ予算案を通してほしい」と県民投票の実施を求めたのに対し、上地議長は「今はまだ予算が計上されていない段階」として明確なコメントは避けた。また、各議員の対応については、「議員それぞれの考え方の中で、市民の声を反映させていくと思う」とした。予算案は13日または14日に提出され、20日の本会議で議論して採決される予定。意見交換は冒頭だけ報道陣に公開された。
元山氏は意見交換会で、4日の市議会で賛成多数で可決された県民投票条例に反対する意見書への声明文を提出した。
可決された意見書では、県民投票条例について「普天間飛行場問題の原点である危険性の除去について全く明記がされておらず、騒音問題などで長年苦しんでいる宜野湾市民が置き去りにされる」と指摘している。元山氏はこれに対して、普天間飛行場の危険性除去は県民の間で異論がないとしたうえで、「改めて県民投票で普天間飛行場の危険性除去につき、民意を問う必要はない」と声明文で主張した。
なお、市が投開票事務を行わない場合の違法性をめぐり紛糾した石垣市議会との意見交換会とは異なり、今回は穏やかな話し合いとなった。
絆クラブ代表の桃原朗氏によると、「宜野湾市を置き去りにする形ではなく、やはり普天間基地の返還が先ではないかとの声が大きい」と素直な気持ちを同会に伝えたところ、元山氏も同じ考えだとして「今後、沖縄の過重な基地負担をどのような方向で解決するか」など、様々な意見を交わしたという。