2018年度サンゴ礁生態系保全行動計画中間評価会議(主催・環境省、石垣市)が15日、八重山合同庁舎で開かれ、2016年―2020年の行動計画の中間評価を行った。モデル事業となる「米原河岸利用ルール策定・運用」は今後、19年に運営協議会を発足し、20年度にルールを再構築して本格運用する方針。担当者は熱帯魚の違法採取、サンゴ踏み荒らしなどの現状を説明した。
米原海岸利用ルール策定は、新石垣空港の開港により観光客数が増加したことに伴い、環境への負担増を懸念して始動。環境への影響としては▽熱帯魚の違法採集▽サンゴの踏み荒らし―などの事例が上がった。担当者によると、モリを持参して海岸に入る人もいるという。今後、既存ルールの再構築とゾーニングを検討し、役割の明確化や運用体制の構築を目指す。
同行動計画は、日本のサンゴ礁を守るための具体的行動を示すもので、2016年3月に策定された。取り組み事項は▽陸から海への影響を減らす▽サンゴにやさしい観光▽暮らしとのつながり再発見―がある。
当初計画では50事業だったが、追加で68事業が加わり、計18事業。報告では、全取り組み中GISデータ化できたのは24件で35%。データ化できた取り組みで多かったのが鹿児島県、環境省、沖縄県。南西諸島でモニタリング活動が行われているのは38%。このうち、鹿児島県南部で46%、沖縄県では36%だった。
重点課題1の「陸域に由来する赤土等の土砂及び栄養塩等への対策推進」は最多の21件。「重点課題2の「サンゴ礁生態系における持続可能なツーリズム推進」は、最も少ない12件だった。