【視点】振興予算 反目超え未来へ

 政府と県が対立しているように、玉城知事と保守系の市町村長の間にも緊張関係がある。特に県内11市のうち8市は玉城県政ではなく安倍政権との距離が近い。新制度は、こうした市町村に予算面で不当なしわ寄せが来ないよう、政府として配慮する意味もありそうだ。
 記者会見で、県の頭越しに市町村へ予算配分されるのではないかと問われた宮腰沖縄担当相は「県の自主性は十分に尊重している」と強調した。県も苦心のやりくりになりそうだが、県民の利益を最大化するために努力してほしい。
 来年度予算案ではほかに、北部振興、離島活性化、子どもの貧困緊急対策、投票体制強化、琉球泡盛の海外輸出などを「重点的に取り組むべき分野」として前年度比で増額計上した。
 基地の跡地利用に向けては、西普天間住宅地区跡地に琉球大医学部と同附属病院を移転し、沖縄健康医療拠点の整備を推進する事業に59億円が計上された。
 那覇空港第二滑走路は19年度末の供用開始を目指しており、石垣港などではクルーズ船の誘致に向け、大型船が接岸できる岸壁の整備が進んでいる。東京五輪も近づいており、今後も観光産業を柱とした経済成長が見込めるだろう。一歩ずつではあるが、沖縄は明るい未来へと進んでいる。

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