かつて男女ともに県別長寿ランキングトップを占めていた沖縄県。一時期の勢いには及ばないとはいえ、現在でも長寿県のイメージは健在だ。その魅力を紐解くにあたって〟模合(もあい)〟がいま世界中で注目を集めているという。沖縄の長寿研究の第一人者として知られる、琉球大学名誉教授で沖縄長寿科学研究センター所長の鈴木信さんに話を聞いた。
「沖縄は、家族や地域との交流を重んじるいわば家族主義的な生活をしていることや現在でも長寿の女性が多いことから、世界中で最も健康で長生きの人々が数多く居住する特別な地域を指す〟ブルーゾーン〟としても認定されている。食生活や生活習慣以上に、沖縄の人々の歴史と文化に根ざした、人と人との結びつきのスピリットが大きいと思う。現代人の生活リズムと食生活だけで長寿を定義するのは難しいが、沖縄県民が過去から現在に至るまで人と人とのコミュニケーションを重んじていることは、長寿であるための重要な条件になり得ると思う。つまり、大切なことは孤独ではないということ」