ドキュメンタリー映画「岡本太郎の沖縄」(121分)が桜坂劇場(那覇市)で公開中だ。芸術家・岡本太郎(1911~96年)が実際に見た沖縄の風景をたどりながら、現在の姿とのコントラストが映し出される。
監督は葛山(かつらやま)喜久氏。プロデューサーは山里孫存(まごあり)・沖縄テレビ報道制作局次長。岡本が取材した那覇市の壺屋や市場、読谷村の闘牛場、久高島など、当時の写真や著作を手掛かりに、撮影地や写真に写っている人々を訪ね歩いて撮影されている。
「沖縄の中にこそ、失われた日本がある」「沖縄で、私は自分自身を再発見した」とは岡本自身の言葉だ。岡本太郎をそれほどまで夢中にさせ、全身全霊で取材に駆り立てた「沖縄」とはいったい何だったのか?約60年前の太郎が捉えた素顔のままの沖縄がいまよみがえる。
当時の岡本の体験は、著書「沖縄文化論-忘れられた日本」(中公文庫)にも記されているので併せて読んでみては。2月9日より石垣島ゆいロードシアターでも上映開始。
(県外特派員・中山祐貴)