【インタビュー】県民投票で二者激論

 この前段として知っておくべきは、地方自治法第252条17の2「条例による事務処理の特例」で、条例を制定する際には県が市町村と適切な協議を行うよう定めてあるが、そのような協議が行われた形跡がないことだ。県議会で県民投票条例が審議される中、石垣市は反対の意見書を可決したにも関わらず、県は市と適切な協議をしていない。
 これは県があまりにも拙速に県民投票の会の条例をそのまま市町村に押し付けているということだ。つまり、「県」が「強権的に」行なっている県民投票だと言える。
 どうしても投票を実施したいのであれば、県は投票を延期し県議会に戻して、条例を改正する手続きもきちんと踏んだ上で、県全体で投票に参加できるよう再考する手続きをとるべきだ。
 また、日本の安全保障を考えれば、戦後築かれてきた国際秩序に挑戦し、軍事拡大の意図も明らかにしてない中国に対する「不安」は大きい。先島の目と鼻の先で中国の軍事活動が常態化するのは、先島の人間からすれば恐ろしい。
 その意味で、非常に厳しい立場に立たされている宮古島市、石垣市という先島の2つの自治体が県民投票を拒否しているという現実を、県全体で捉えていく必要がある。
 普天間飛行場の移設に関しては20年以上も前から、日米両政府、沖縄県、宜野湾市、名護市など含め、政治の場で多岐にわたる議論がなされてきた。
 その結果、辺野古に決まった。移設への反対は、時の責任ある先人たちの努力を顧みないことでもあるのだ。そのことを忘れないでほしい。

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