沖縄総合事務局と県は、首里城公園の正殿奥にある「御内原(おうちばら)」や、城内で最も標高の高い物見台「東(あがり)のアザナ」など約1.1ヘクタールの区域が2月1日から新規開園するのに合わせ、27日、このエリアの開園記念式典を開いた。首里城公園は、国営沖縄記念公園首里城地区と周辺の沖縄県営公園で構成される。このエリアの開園で現時点での復元計画が全て完了し、予定の全エリアが公開されたことになる。
28日から31日までの4日間はプレオープンとして、このエリアを無料で開放。北側にある淑順門(しゅくじゅんもん)から入場できる。正殿などは通常通り有料となる。
首里城は沖縄戦の戦火で消失したが、本格的な復旧工事は30年前の1989年から始まった。正殿の建築は1992年11月に完成し、御庭(うなー)と共に開園した。
その後は順次、関連施設が建設され、公開できるエリアを拡充。今回の新規開園で、既存の有料エリアである正殿エリアからさらに奥に行けるようになり、国王や王妃の私的生活空間だった場所が復元、公開された。
新規開園するエリアの復元整備に必要な当時の記録は少なく、調査は難航した。発掘調査や文献、古写真の探索と分析などを丹念に行い、約20年の時を経て、開園が実現した。
資料がなく復元できなかった建築物もあり、関係者は「沖縄戦で消失する前に、県内で勤務した人やその子孫が、関係書類や写真を所持しているのでは」と新資料の発見に望みをつなぐ。
式典には、宮腰光寛沖縄担当相、謝花喜一郎副知事らが参列。テープカットやくす球割りが行われた。宮腰氏は、昨年12月に開園からの累計入園者数が6000万人を超えたことに触れ「年間300万人近い入園者が訪れ、沖縄観光の主要な施設だ」と期待した。
謝花副知事は「観光客の年間誘客1200万人達成に向け大きな弾みになる」と強調した。