那覇港管理組合議会(崎山嗣幸議長)は5日から2月定例会を開催し、一般質問で那覇軍港の浦添移設に関する質疑が相次いだ。
那覇軍港の浦添沖移転を巡っては、県と那覇市が軍港と民港を分離して配置する「北側案」を求めているのに対し、浦添市はリゾート開発などを目的に「南側案」を求め、意見の対立がある。
県議の山川典二氏は、現計画の「北側案」と「南側案」の埋め立て面積について「現計画では187・3㌶なのに対し、浦添の案は164・3㌶だ。23㌶、率にして12・3%(埋立て面積は)縮小する」と述べ、「南側案」がより自然環境に配慮した案であると指摘した。
浦添市議の又吉兼一氏は、浦添市が移設予定地に隣接する米軍キャンプ・キンザーの返還を実現させ、両地域の一体的なリゾート開発を目指しているとして玉城デニー知事の見解を求めた。玉城知事は「キャンプ・キンザーが返還されることで、大きな経済効果や街づくりへの展望が開ける。おのおのの計画が同じ方向を向いていけば、自ずと街づくりや県政の振興発展に寄与する」と応じた。
那覇市議の奥間亮氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城知事が、一方で那覇軍港移設のための埋め立てを推進していることについて「浦添の海を埋立て、米軍基地を造らないでほしいという人がいる」と質問。玉城知事は「経済発展のために計画は進められている」と述べるにとどめた。
組合管理者である玉城知事は来年度の施政方針を発表し、最大の事業として那覇港総合物流センターの5月開業を挙げた。