第41回沖縄青少年科学作品展(主催・沖縄電力㈱)が9日、浦添市のANA ARENA浦添で始まった。10日まで。「集まれ未来の科学者たち」をテーマに、県内の小・中・高等学校、高等専門学校、アメリカンスクールから応募があった計119作品が審査を受け、入賞作品の表彰式が行われた。
県知事賞には石垣第二中学校2年の岡部壮良さんの作品「モデルロケット打ち上げ実験その2~正しい重心位置と最適なフィンの形を見つけよう~」を含む4作品が選ばれた。岡部さんはロケットに三軸加速・気圧センサー付計測器を搭載し、重心位置やフィン形状を変え、データを収集し、高い飛行高度と安定した飛行姿勢を研究した。
6歳のころ、テレビで「小惑星探査機はやぶさ」が地球に感動し、模擬人工衛星で各種データを収集・解析することを目的に研究を始めたという。「小学校3年生から出展してきたが、初めて冠が付いた賞をいただいた。やっと評価されるような研究ができた」と受賞を喜んだ。
実験場所の確保や気象条件が揃わないと実験ができないため、「苦労した」と話す一方、「琉球大学の先生方にアドバイスをもらい、展示パネルのできが良くなり、満足している」と振り返る。小・中学生を対象に琉球大学で実施される「琉大ハカセ塾」で2年間、講義や研究の補助や受けているという。将来の夢について「物理学者になりたい」と話した。指導や助言を行った同大学理学部の前野昌弘准教授は「すごく熱意があり、進んで取り組んでくれるので素晴らしい」と評価した。
県知事賞には、豊見城市立伊良波小学校6年の真栄城綾香さんの作品「プロジェクトRYU―Q~リュウキュウオオスカシバを探せ!~パート2」、昭和薬科大学附属中学校1年の大城航さんの作品「止水域におけるトンボの生息条件」、沖縄水産高等学校3年の新垣佑美茄さんら7人の作品「健さんフルーツフィッシュの開発」も選ばれた。
真栄城さんはスズメガ化の昆虫で蛾の一種、オオスカシバとリュウキュウオオスカシバが幼虫の段階で見分けられるか、タイプ別に分類し研究した。また両者の羽化と気温の関係も研究した。「うれしくて校長室で大号泣した。周りの方々の支えで受賞できた」と喜んだ。作品の工夫した点について「幼虫段階でどう見分けるか、チャート図に分かりやすくまとめることができた」と話した。