社会福祉法人・双葉福祉会(那須悦子理事長)のまきら保育園(知花理以子園長)は9日、「子どもの携帯電話に潜む危険性」をテーマとした育児講話を同園で行った。八重山警察署生活安全課の大石根司少年係主任(30)と屋比久彩さん(29)が、サイバー犯罪やSNSトラブルの危険性とその対策を伝えた。
講話では、県内と八重山郡内での少年非行・犯罪の特徴の違いを説明しながら、刑法犯の認知件数が減少する一方で、サイバー犯罪の検挙件数が増加している現状を紹介。
サイバー犯罪の特徴として▽匿名性が高く、なりすましが簡単▽現実とつながっている実感がない▽トラブルが教師や保護者の目に届きにくい―と指摘した。
その上で、▽個人情報を載せない▽学校・家庭内でのルール作りをする▽被害にあった場合は、加害者とのやり取りを消去しない―などのSNSトラブルを防ぐポイントを挙げた。
大石根主任は「理由を言わずに禁止するのは今の子には通じない。犯罪の危険性などを説明し、実例を示して子どもに伝えて」と呼びかけた。
砂川浩子さん(39)は講話を聞き、「不安はあるが、経験しつつ学んでいきたい。親がどう対応していくかが大切だと思う」と話した。
知花園長は「父母が子どもの手本となること、そして困った時に相談できる相手がいることが大切。先生や警察だけでなく、隣人とも普段から話ができる環境をつくるのがいいのではないか」と呼びかけた。
育児講話は年度末恒例の「親子マラソン」とセットで行われている。この日は雨のため、講話前にはマラソンの代わりに「親子制作」が行われ、園児らは画用紙や紙コップを使った遊具作りを親とともに楽しんだ。
講話後には、園児らの父親が作った豚汁が園児と保護者らに振る舞われた。知花園長は「『同じ釜の飯を食う』という意味に加え、災害時の炊き出し練習も兼ねている」とその意義を強調した。