石垣市議会(平良秀之議長)3月定例会では一般質問2日目の12日、箕底用一、米盛初枝、前津究、石垣達也の4氏が登壇。大規模災害時の対応を問う声が相次いだ。市当局は、2025年度までに上下水道施設の耐震化を進める方針を示した。
耐震化対策の進ちょく状況は箕底氏が取り上げた。前浜猛志水道課長は浄水場施設について、19年度に管理棟から耐震化工事に着手し、25年度の完了を目指す方針を示した。配水池は5カ所のうち4カ所が耐震化されておらず、浄水場施設の耐震化完了後に耐震化に着手する。
下水道管について安里行雄建設部長は、76・2%が耐震化済みとした上で、31年度で計画を策定し、25年度までに下水道施設全体を対象にした耐震化を進める方針を示した。
大浜武参事兼防災危機管理室長は、19年度に各地区の防災計画を策定すると説明。自治会役員などの協力を得て、倒壊の危険のある塀や石垣などを把握し、防災計画に反映させる方針を示した。
箕底氏は「震災を受けた地域で最も課題だったのが、倒壊した家屋、ブロック塀などで避難に支障をきたしたことと、上下水道施設や配管の耐震問題、トイレを探す難民の問題だ」と指摘した。
石垣氏は災害時の観光客の避難誘導計画を質問。大浜防災危機官室長は、市総合体育館に集約して待機してもらった上で、チャーター便やヘリも活用しながら帰宅や帰国を図る考えを示した。
現在、観光客を考慮した備蓄はされていないが、大浜室長は「帰宅困難となった観光客対応の備蓄が補助対象となっているので、次年度整備したい」と述べた。
石垣氏は「対応を間違えると観光地としてのダメージは大きい。災害発生時に迅速な避難、一刻も早い帰宅、帰国へとつなげる取り組みで、安心して旅行に行ける石垣市を発信できる」と提言した。
米盛氏は、建設中の福祉避難所兼ふれあい交流施設「結い心センター」の活用方策をただした。宮良亜子福祉部長は「要援護者は最大60人受け入れ可能となる。平常時には高齢者の集いの場などとして活用が可能。地域が気軽に集える場、共助、共生の交流拠点として活用していく」と述べた。