海警局は18年7月、国務院(政府)の部門から中央軍事委員会の指揮下にある中国人民武装警察部隊に編入され「第二海軍」とも呼ぶメディアもある。
竹田氏は「経済大国化した中国は超高速で大量建造を続けている。現場に同時展開できる隻数を増やす観点からは、整備や休養の余裕も生まれ有利」と分析。尖閣海域に現れる海警局の船は従来、平均3隻だったが、16年秋以降は平均4隻に増加した。
竹田氏によると、中国は世界最大級となる1万3000㌧級の「海警2901」「海警3901」をそれぞれ東シナ海と南シナ海を管轄する「分局」に配備。敵の艦船、航空機、ミサイルを攻撃する海軍装備の76㍉機関砲を搭載させた。76㍉機関砲搭載の船は、さらに当面3隻が建造中と見られる。
海保は6000㌧級以上の巡視船を持たず、搭載されるのは40㍉機関砲が最大。尖閣警備専従の「たけとみ」は20㍉多銃身機関銃1基を搭載するにとどまる。
竹田氏は3月26日発行の「島嶼研究ジャーナル」に掲載した論文で、海上での偶発的な衝突防止に向け「海軍の艦艇や航空機が海上での不慮の遭遇をした場合の行動規範や、日中海空連絡メカニズムの適用範囲をコーストガードに広げることも解決の一助になるのでは」と提言した。