【視点】沖縄観光を牽引する離島

 宮古と八重山の観光が競い合うように伸びているのは、県全体の観光に大きなプラスだ。特に宮古は「みやこ下地島空港」のターミナルが3月末に開業したこともあり、八重山に追いつき追い越せの勢いだ。
 暦年と年度の違いがあるため単純比較はできないが、海外客の数では、宮古が44万2329人なのに対し、八重山は21万1712人で、宮古が倍以上の規模となった。宮古では宿泊施設や飲食店が不足し、受け入れ態勢が追いつかない状況だという。
 宮古と八重山で異なるのは、中国人観光客の割合だ。上記のデータで見ると、海外客に占める中国本土からの観光客の割合は宮古が約45%に達し、台湾などを大きく引き離しているのに対し、八重山は逆に台湾が約41%を占め、中国本土は約1・5%に過ぎない。宮古の急激な観光客増に「中国バブル」の側面はないのか、一度検証が必要だろう。
 中国本土からのクルーズ船は宮古と本島のみを訪れ、石垣港を素通りする傾向があることが分かるが、理由は判然としない。石垣市の行政区域である尖閣諸島を巡る対立が根底にあるのなら、中国は観光を政治利用していることになる。

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