【解説】自民 参院選へ一層苦境 屋良氏 問われる公約実現性

 衆院3区補選は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する屋良朝博氏が初当選し、辺野古移設に対する県民の反発が改めて浮き彫りになった。夏の参院選に向け、辺野古移設を容認するスタンスで臨む自民は一層苦境に立たされそうだ。ただ、安倍政権は選挙結果にかかわらず移設工事を推進する考え。「辺野古移設なしで普天間は返還可能」と訴える屋良氏の公約は、早々に実現性を問われることになる。
 今選挙は昨年9月の知事選と同様、辺野古移設に反対する革新リベラル勢力と、自民、公明、維新の枠組みによる保守中道勢力の対決。3区のほとんどの市町村長は島尻氏支持で、基礎票では保守中道勢力が上回る。

 しかし辺野古移設問題が争点化されたことで、移設に反発する無党派層と保守中道支持層の一部が離反し、屋良氏が優位に立った。島尻氏は経済振興策や子どもの貧困対策を掲げ、懸命に追い上げたが、辺野古移設に反発する県民感情の前に、どの政策もかすんだ形だ。
 知事選でも、自民はほぼ同様の敗北パターンをたどった。辺野古移設がまたも争点に浮上すると見られる参院選に向け、支持層の一部や無党派層の離反をいかに食い止めるかが大きな課題だ。ただ、閣僚経験者でもあり、知名度では屋良氏をはるかに上回る島尻氏が敗北したことで、保守中道勢力としては「打つ手なし」の状況。無力感が広がるのは避けられそうにない。
 選挙戦で屋良氏は終始、辺野古移設反対を訴えの中心に据え、知事選や辺野古移設を巡る2月の県民投票の勢いを持続させた。「作戦勝ち」とも言えるが、玉城知事同様、選挙期間中に、移設阻止に向けた具体策は示せなかった。
 辺野古移設問題で安倍政権と玉城県政の対立が激化する中、少数野党の立場で、国政での影響力発揮には限界がある。移設を阻止できず、予算獲得を通じた地域振興策の成果も出せなければ、公約がことごとく空手形に終わる可能性も否定できない。(仲新城誠)

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