「平得大俣の自然環境とくらしを考えるシンポジウム」(石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会主催)が27日夜、石垣市健康福祉センターで開かれ、パネリスト6氏が自身の研究成果を発表した。シンポジウムでは、陸上自衛隊配備地の平得大俣の環境に関する意見交換を行い、カンムリワシなど自然環境への影響を懸念した。
前半のパネルディスカッションでは、専門家の6氏が登壇。鳥、水、動物、植物など各分野から於茂登の自然を語った。
アンパルの自然を守る会事務局長の山崎雅毅氏は、環境アセスメントについて説明。その中で「法的にも物理的にもカンムリワシの捕獲はできないので、移動という代償措置も取れない。平得大俣のカンムリワシを見殺しにするということだ」と結論付けた。
後半のパネルディスカッションでは、於茂登在住の嶺井善さんが陸自配備地のカンムリワシへの影響について質問。
日本野鳥の会石垣島支部事務局長の小林孝氏は、「カンムリワシが産卵するときに、(工事で)音を立てると彼らもそこにいたくないと思うだろう。生活ができなくなると、追い立てられる。他の場では先住のカンムリワシがいるので、どこに行くのか私にもわからない」と述べた。
このほか、石垣島エコツーリズム協会会長の谷崎樹生氏、石垣島エコツーリズム協会事務局の青木康夫氏、アンパルの自然を守る会共同代表の島村賢正氏、水の研究者の東田盛善氏が登壇して意見を述べた。