【視点】子どもの日 喫緊の課題は少子化

 待機児童対策も大切だが、もう一つの問題は、仕事と家庭の両立に対する若者たちの意識かも知れない。両親が共稼ぎになれば当然、子どもをどこかに預けなくてはならず、子育てを保育施設に依存した社会になってしまう。これでは保育士が何人いても足りない。
 一方で、両親が共働きを続けていれば、そう何人も子どもを産むわけにはいかず、少子化にも歯止めが掛からない。子どもはますます少なくなり、保育士はますます足りなくなるという奇妙な現象が社会全体に広がってしまう。
 かつては専業主婦の女性が多く、母親が全面的に子育てに責任を持っていたため、こうした問題はなかった。「妻が家庭を守る」という昔ながらの価値観が、社会全体の屋台骨を支えていたとも言える。
 現在では、女性も男性と同等に社会で活躍することが求められている。しかし、夫婦のいずれかが家庭を守るという古き良き価値観は見直されていい。
 専業「主婦」であれ「主夫」であれ、パートナーが仕事に出ている間、自宅で子どもの教育に専念することは、社会と切り離されることを意味しない。それもまた、かけがえのない社会貢献である。
 家庭を守るために働かない道を選んだ人を、一段低く見るような風潮は改めるべきだ。長い目で見て、子育てを保育施設に依存しない社会を目指してもいいのではないか。
 共働きを必要とする経済的事情や労働力不足などの問題もあるが、そればかりを理由にしていては問題解決にならない。
 子の貧困、児童虐待、学力不振は、連鎖しているケースが多いと見られる。県が実施した県民意識調査でも、子の貧困対策を求める声が4割以上で最多だった。行政が個々のケースに即した支援策を強化すべきだ。
 子の貧困解消の前提となるのは親の貧困解消だ。県内企業の多くを占める中小零細企業の活性化策など、県として進めるべき施策は多い。少子化対策にはまず国民の意識変革が求められるが、貧困解消は、第一に政治が手を差しのべるべき分野である。国と県の連携が必要だ。

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