【視点】陸自住民投票で与野党対立

 参考人招致を巡っては、質疑を行うかどうかでも与野党で対立があった。野党は「参考人の意見が理解できないと議論は深まらない」と質疑を行うよう主張したが、与党は受け入れなかった。野党は会合終了後の記者会見でも、こうした与党側の議事進行のあり方に猛反発した。
 一般的には参考人を呼ぶ以上、質疑を行って陳述内容の理解を深めるのは、通常の手続きだ。
 ただ、与党は住民投票を行う必要はないという立場であり、住民投票の方法などを定めた条例案の中身に立ち入って審議することも当然、不要とする。野党側の参考人にあえて質疑する必要性も感じていなかっただろう。逆に与党側の参考人が、野党議員に一方的に突っ込まれるリスクを避けたのかも知れない。
 参考人招致の直後に条例案の採決が行われたため、野党は「参考人招致は与党のアリバイづくりだった」と批判を強めている。
 特別委員会が結論を出すに当たって、同条例に対する賛否双方の意見を聞いたことは、手続きとしては理にかなっている。住民投票の実施の是非を巡っては、与野党や市民の対立が長く続く。特別委員会の判断を踏まえ、6月議会で、この問題が決着することに期待したい。
 住民投票が実施されるにせよ、見送られるにせよ、沖縄や八重山を取り巻く国際環境の不穏さは変わらない。万一への備えを持つことが危機の抑止に役立つ。
 今が晴れであっても、雨に備えて傘を持つことと同じだ。陸自配備に対する市民の理解を深めたい。

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