米海兵隊が使用する普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城デニー知事は、5月31日の定例記者会見で、改めて海兵隊の沖縄駐留は不要との見解を示した。八重山日報社は、元米海兵隊太平洋基地政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏に、知事発言の受け止めを聞いた。
海兵隊は陸、海、空軍を統合したような組織で、種類の異なる複数の作戦を同時に展開する特別な能力がある。有事に対する即応能力があり、その精神は「ファイト、トゥナイト」(今夜にでも戦える)と表現される。
沖縄を中心に円を描くと、日本本土、朝鮮半島、台湾、東南アジアまで広い地域(地球面積の52%)をカバーできる。東日本大震災のような日本本土の災害の救援活動だけでなく、朝鮮半島有事、台湾有事、そして尖閣有事にも迅速に出動できる。いつも言っているが、海兵隊の駐留場所は「沖縄が唯一」ではなく、地政学的に「沖縄がベスト」だ。
ただ沖縄では「海兵隊の存在こそが問題」という政治的な意見が強く、海兵隊の機能を一元的しか分からない、評論家、政治家がいる。しかし多くの神話で成り立っている「沖縄問題」を客観的に検証しないと、建設的な議論は生まれない。