【視点】危機意識持たなければ侵入防げず

 沖縄本島中部に住む10代女性が家族とのスペイン旅行から帰国後、成田空港検疫所の検査で、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。女性の感染は「空港検疫による輸入症例」として、県内での発生件数には含まれない。
 問題になったのは、女性と家族5人が感染防止のために設けられた学校の休校期間を利用してスペインに出掛けたこと、成田空港での検査後、検査結果の判明を待たず、国の待機要請を振り切って沖縄に帰ってしまったことだ。
 女性と家族は13日から観光目的でスペインに入り、20日に帰国。バスで成田空港から羽田空港に向かい、羽田発那覇行きの便に乗り込んだ。その結果、女性の家族と、女性の近くにいた搭乗者、空港に女性を迎えに来た家族の計7人が濃厚接触者になった。女性は移動中、マスクをしていなかった。

 女性が待機要請に応じなかったことには、那覇への乗り継ぎ便が決まっていた事情もあるようだが、そもそも、この時期に観光目的でスペイン旅行に出かけた現状認識の甘さに疑問を感じざるを得ない。
 県教委の平敷昭人教育長は「臨時休業は感染防止の措置。自宅で過ごすよう指導したが、理解されず残念だ」、砂川靖保健医療部長は「待機要請に応じてもられば、濃厚接触者が出ることもなかった」と苦言を呈した。いくら行政がウイルスの感染防止に全力を傾注しても、肝心の県民に危機意識が足りなければ、効果は覚束ない。
 沖縄では23日、ベルギーに渡航歴がある外国籍男性の感染が新たに判明した。県内での感染確認は約1カ月ぶりで、感染者は4人になった。ただ東京や北海道などの大都市に比べると、現時点で感染拡大は抑え込まれているように見える。
 離島のさらに離島である八重山には、安全安心な観光地と言うことで「コロナ疎開」する観光客も出ているほどだ。

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