中国の兵法書「孫子」の有名な一節だ。「彼を知り、己(おのれ)を知れば百戦殆うからず」。第二次大戦での日本の敗戦は、この警句を忘れたためだと指摘されることが多い◆米軍は第二次大戦で、日本人やドイツ人の一般的な国民性からリーダーの行動予測に至るまで、緻密に分析した上で戦闘に臨んだ。これに対し日本は、敵を「鬼畜米英」などと蔑視し、英語を「敵性語」だとして日常語から追放する運動を展開した。国民のプライドは満足するかも知れないが、勝敗には何の影響もない無駄な努力だった◆ドイツの独裁者ヒトラーも、第一次大戦で「敵兵は弱い」という思い込みの報道が氾濫(はんらん)した結果、ドイツ軍の兵士が実際の戦闘で不意を突かれたことを敗因の一つに挙げる◆一世紀前の日独と似たような光景が現在、隣国で繰り広げられている。反日に燃える韓国は日本語に由来する韓国語を追放、日本原産の樹木を植え替える運動も進んでいるという。日本製品の不買運動や、日本旅行のボイコットも同じ発想だ◆ライバルへの正しい理解を欠いたまま戦うのは自殺行為にも等しく、今、韓国は一国を挙げて正気を失っている。こうした相手には下手に手を差し伸べたりせず「丁寧な無視」を徹底するのが一番だ。