「気持ちのつながりほしい」 自殺対策強化事業で講演会

「こころをつなぐ会話~沖縄いのちの電話の活動から~」講演会に耳を傾ける参加者ら=8月31日夕、市健康福祉センター検診ホール(写真左)

 石垣市福祉部障がい福祉課(運道徹課長)は8月31日夕、市健康福祉センター検診ホールで、「こころをつなぐ会話~沖縄いのちの電話の活動から~」と題し、2019年度自殺対策強化事業講演会を開いた。県立看護大学准教授で、沖縄いのちの電話事務局長の渡久山朝裕氏が講師として、傾聴と共感的理解の重要性を指摘し、「結論を急いではいけない。相手は答えではなく気持ちのつながりがほしい」と呼び掛けた。

 渡久山氏は自殺予防のための援助的コミュニケーションのポイントとして▽対象者を「動かそう」ではなく「共に居よう」▽問いかけに「答える」(解決する)のではなく「(気持ちに)応える」▽葛藤を「取り除こう」ではなく「(一緒に)抱えよう」▽一方的な「説得」ではなく選択肢の「提案」―を挙げた。
 さらに基本的技法として▽相手のことを受け止める「受容」▽復唱などの「繰り返し」▽フォローする言葉をかける「支持」▽ハイ、イイエで答えさせない「開かれた質問」―を挙げ、関係者・専門機関との連携するよう伝えた。
 また、自死遺族の悲しみ・苦しみ・悩みを共有する「自殺遺族分かち合いの会」を紹介し、「本島北部地区や宮古・八重山でも『分かち合いの会』を開設したい」と述べた。
 講演会に先立ち中山義隆市長(運道課長代読)は県年間200人超、石垣市年間10人前後の自殺者数に触れ「理解を深め、1人ひとりが自殺対策の担い手として、誰もが自殺に追い込まれることのない石垣市の実現に努める」と述べた。
 いのちの電話は全国52センターがあり、沖縄いのちの電話は1976年1月に開局され、全国で4番目、九州で初。相談員はボランティアの一般市民が行なっている。

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