石垣市は、ラムサール条約登録湿地である名蔵アンパルの保全・利活用推進協議会(島村賢正会長)の初会合を25日、健康福祉センターで開き、名蔵アンパルを保全しながら利活用するためのルールを来年度に策定する方針を確認した。今年度はルール策定の前段階として、10月から名蔵アンパルの現状を把握するための自然環境基礎調査と環境カルテの作成に入る。
名蔵アンパルは土砂流入や水質悪化が進み、陸化の進行や干潟の減少などの問題が指摘されている。協議会は官民の関係者21人で構成。名蔵アンパルを利活用するためのルールとなる「名蔵アンパル保全・利用計画」を策定し、課題解決に向けた具体策を盛り込む。
自然環境などの調査は来年3月までの予定で、協議会は同月の次回会合で調査結果の説明を受ける見通し。調査内容は赤土の流出状況、堆積状況、マングローブ林内の土砂の堆積状況などとなっている。
来年度の協議会では、市民から委員を2人公募し、メンバーとして追加する。
協議会の初会合では、メンバーの一員である株式会社ユニマットプレシャスから、発言に助言を受けるオブザーバーとして環境問題の専門家を参加させたいとの申し入れがあることが報告された。同社は前勢岳周辺でゴルフ場建設を計画しており、市民の一部から名蔵アンパルの環境への影響を懸念する声が上がっている。
委員からは「歓迎する」「利害関係が色濃いので慎重に」という意見があり、次回会合まで結論を保留することを決めた。