石垣市自治基本条例の見直しに向けた議論を進めている市議会の同条例調査特別委員会(友寄永三委員長)は、近く条例に詳しい有識者を参考人として招致し、意見を聞く方針を固めた。招致時期は11月中をめどに調整する。友寄委員長は「さまざまな角度から自治基本条例を考える機会にしたい」と話している。
特別委は3月に設置され、与党の10人で構成。これまでに39条の条文を一条ずつ読み合わせる作業を続けてきた。今月1日の会合では、条例に対する有識者の意見を聞き、今後の審議の参考にすることを申し合わせた。
有識者の人選は調整中だが、市議からは「石垣市では自治基本条例の問題点を指摘する講演会などが開かれたことがない。さまざまな意見を聞くべきだ」という声が出ており、条例に批判的な人物が招かれる可能性がある。その場合、バランスを取るため条例を擁護する有識者の意見も聞くべきという声もある。
特別委の意義を市民にも理解してもらうため、有識者の意見を聞く際には、会場の選定も含め、一般市民が傍聴しやすいよう配慮することを検討する。
これまでの審議では、委員から、条例に規定された「市民」の概念が曖昧であるなどと批判する声が出ている。
条例の堅持を求める野党は、特別委が最終的には条例廃止を目指していると見て警戒感を強め、特別委への参加をボイコットした。このため審議は与党ペースで進んでいる。
石垣島への陸上自衛隊配備問題で、反対派は同条例の規定を根拠に住民投票の実施を求めており、10年前の制定以来、条例の在り方を改めて問い直す気運が高まった。
同条例は「自治体の憲法」とも呼ばれ、市民の市政への直接参加を推進する内容になっている。石垣市は前市政時代の2009年、県内で初めて同条例を制定し、翌年4月に施行した。