玉城デニー知事が県発注業務の受託業者らと契約前日に会食していた問題で、県議会の会派「沖縄・自民党」は10日、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を求める方針を固めた。ただ社民党や共産党など、多数を占める県政与党は反対する方針で、設置は困難な見通し。玉城氏は同日の定例記者会見で「県民に心配や迷惑を掛けたことをお詫び申し上げたい」と陳謝した上で「契約は適正だった」と強調した。
自民党が問題視するのは、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還の方策などについて有識者らが議論する「万国津梁会議」の運営業務を受託した業者らとの会食。県議会での県側の答弁などによると、玉城氏と受託業者は5月24日に委託料約2400万円で契約を結んだが、前日の23日に玉城氏と業者、県職員、万国津梁会議メンバーが参加する飲食付きの会合を那覇市内で開いた。
自民党は「職員の参加は倫理規定に違反する」などと主張するが、県側は、当時職員は契約事務を職務としていなかったため、違反行為に当たらないとしている。
玉城デニー知事は10日午後の定例会見で、この問題について陳謝した上で「今後も襟を正し、県民の疑惑や不信を招くことがないよう客観的、公正な県政運営を心がけ、公務に対する信頼を確保する」と述べた。
会食には昨年の知事選で玉城氏を支援した女性が参加したが、女性は受託業者の関係者だった。玉城知事は「会食した時点で知らなかった。県民に誤解を招いたことは猛省する」と釈明した。
百条委設置の動きについては「議会で議論することなのでコメントは控える」と述べた。