県は16日、タクシー運転手の80代男性1人=沖縄市=の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。乗客の中に、米軍キャンプ・ハンセン(金武町など)の関係者が含まれていたという。県内の感染者は計149人になった。米軍基地から一般県民に感染が広がったと見られる事例は初めて。
また、県は同日、普天間飛行場(宜野湾市)で新たに2人の感染を確認したと米側から連絡があったと公表。県によると、在沖縄米軍で感染確認されたのは計138人となった。県は米軍関係者を県内の感染者数には計上していない。
県によると、80代男性は、14日に発熱し15日に陽性と判明。4~8日、米軍関係者を乗せてキャンプ・ハンセンに出入りしていた。県の担当者は「米軍の感染者が利用し、男性にうつった可能性が高い」との認識を示した。男性は重症ではないという。
県内で米軍関係者の感染が広がっていることについて、玉城デニー知事は同日の記者会見で「私たちにも米側にも、ある種の緩みがあったことは反省する」と述べた上で「米軍内における2週間の隔離ができていたか、管理体制が適切だったかを検証してもらわないといけない」と指摘した。
基地従業員やその家族へ偏見を持ったり、差別発言をしないよう県民に呼び掛けた。
政府が22日から開始する観光支援策「Go To トラベル」について、開始前に県の感染防止対策を検討する考えを示し「(今週末の)全国知事会のウェブ会議で意見集約が必要だ」と指摘した。
県によると、県内の感染者149人のうち、5人が入院中。