新型コロナウイルスの影響で、県が自粛していた観光客の受け入れが1日から段階的に再開された。新規感染者が発生している東京や福岡など6都道県との往来自粛要請は継続しているが、18日には解除される見通しだ。感染拡大を防ぎながら観光地としてのにぎわいをどう取り戻していくか、手探りの取り組みが始まる。
石垣市は観光客受け入れに当たり、宿泊業者と感染防止協力協定の締結を始めた。
原則1週間以上の長期滞在者の受け入れを推進すること、滞在日数にかかわらず、滞在中は検温や健康チェック、外出時のマスク着用呼び掛けなどを欠かさないこと、チェックアウト3日後に観光客の体調確認を行い、異常があった場合は市に連絡することなどを盛り込んだ。
観光客が島を離れたあとに感染が発覚した場合、早期に事態を把握し、行動履歴の確認、濃厚接触者の特定などにつなげる狙いがある。
石垣市は独自にPCR検査機器を購入し、県立八重山病院に設置した。感染が疑われる観光客などがいた場合も即座に対応できるようにするためだ。
こうした取り組みは、安心安全な観光地を目指す上での「石垣モデル」と呼ぶことができ、県内の医療関係者などからも注目されている。
ただ、実際に感染者が出た場合に、このシステムがスムーズに運用できるかどうかは未知数だ。いずれにしても成否は、観光関係者や地元住民の意識にかかっている。