インドネシアの古都・ジョグジャカルタと石垣島をオンラインで結ぶ伝統芸能の交流会「南島芸術交流~ジョグジャカルタ・石垣島 伝統芸能が生きるまちがまじわる~」(主催・㈲石垣コミュニティーエフエム)が12日夕、開催された。約4000㌔離れた石垣市民会館中ホールと国立ジョグジャカルタ芸術専門高校をオンラインで結び、各地の伝統芸能の担い手である高校生らが伝統芸能を披露し、新型コロナ後の新たな交流の可能性を試みた。
同交流会は、市民会館内の創造拠点「シマノバ」活動の一環として、国の国際交流基金アジアセンター「アジア・市民交流助成」を得て実施したもの。
コロナの影響で伝統芸能に触れる機会が制限される中、古典芸能が盛んな都市であるジョグジャカルタと石垣島の伝統芸能の担い手が交流し、コロナ後の新しい形の文化活動を試みた。
ジョグジャカルタからは同専門高校の生徒・教師、地元青年団組織ら計約40人が参加。荘厳に鳴り響く打楽器等による幻想的な音楽に合わせた宮廷舞踊や伝統古典舞踊劇を披露した。
石垣からは八重山高校、八重山農林高校の両郷土芸能部と八重山民俗舞踊光扇会荻堂久子舞踊研究所のメンバーが参加。鳩間節、稲が種子アヨー、赤馬節などを披露した。
演技を終えたジョグジャカルタの生徒らは「日本はやっぱり凄い。先進国なのに伝統芸能もしっかりと忘れないでいる。そこが尊敬できる。音楽と踊りが相まっていた」「交流を定期的にやっていきたい」と笑顔。
郷土芸能で大切にしている点について「今あるものを受け継ぎ、発展させていくこと」と指摘した。
石垣の生徒らは「ジョグジャカルタの踊りは迫力があり、なめらかで、すごく感動した。化粧や手の使い方が沖縄と似ている部分があると感じ親近感も持てた」「八重山の芸能とは全く違うもので新しい刺激をもらえた」と喜んだ。
同交流会のディレクターで、一般社団法人ブルーオーシャンの岡田智博代表は「テクノロジーを使った担い手交流として期待されている。コロナでの文化交流の中でも異彩を放つ」と強調した。
交流会の模様は15日からオンライン映像で無料配信される。