労働と余暇を両立させる「ワークライフバランス」実現が、生きがいのある働き方につながる。働き方改革関連法が4月1日から順次施行された。企業は時間外労働の上限規制などに対応する必要に迫られている。少ない人数で効率的に成果を上げる。労働生産性の向上に向けた取り組みが急務だ。
「働き方改革」は、少子高齢化や人口減少で厳しさが増す労働環境の改善を目的に、安倍政権が進めている施策だ。時間外労働の上限規制のほか、年次有給休暇の確実な取得、正社員と非正規社員の不合理な差別禁止などが柱になっている。
もともと日本は労働生産性が低く、公益財団法人日本生産性本部などの調べでは、時間当たり労働生産性、就業者1人当たり労働生産性は米国の3分の2程度。1970年代から一貫して主要先進7カ国中、最も低い水準にとどまっている。
その中でも、沖縄の労働生産性は、全国平均の6割強に過ぎない。職場で、いかにムダや非効率がはびこっているかかうかがえる。こうした現状は、低水準の県民所得や深刻な子どもの貧困問題とも無縁ではない。
ましてや好調な観光などを背景に、人手不足が慢性化している。少人数のスタッフが果てしない長時間労働を続け、身体的にも精神的にも疲弊する悪循環に陥っている。多忙化の中で「働き方改革」「ワークライフバランス」に対応し、社員のモチベーションを維持しながら成長を続ける企業だけが生き残れる時代だ。